名古屋近辺のフリーきっぷ&お得なきっぷ

名古屋から旅をしていると、JRや名鉄等で通常の料金よりもお得になるフリーきっぷが使えるケースが度々あります。場合によってはかなりお得になることもあるためこれを使わない手はありません。

そこで、名古屋から旅をするときに使えるフリーきっぷをいくつか紹介してみようと思います。まずはどんなフリーきっぷがあるかをざっと簡単に表にまとめて、そのあとそれぞれのきっぷについて詳しく紹介しようと思います。

以下の内容は2023年11月現在の情報を元に記述しています。また出発駅によって値段が異なるものは名古屋駅発の値段を記述しています。

会社名称値段
(大人)
使用期間対象列車
JR東海青空フリーパス¥2,620土休日普通列車・快速列車(別途特急券を購入すれば特急も利用可能)
JR全社青春18きっぷ¥12,050
(5回分)
夏休み・冬休み・春休みの特定の期間普通列車・快速列車(特急は利用不可)
JR東海豊橋往復きっぷ¥1,560
(土休日)
通年普通列車・快速列車(別途新幹線変更券を購入すれば新幹線も利用可能)
名鉄名鉄電車全線1DAYフリーきっぷ¥3,400通年ミュースカイを含む全ての列車(ただし特別車の乗車には特別車両券が必要)
近鉄近鉄週末フリーパス¥4,400金土日または土日月の連続3日間全ての列車(ただし特急を利用する場合には別途特急券が必要)
名古屋市交通局ドニチエコきっぷ¥620土休日名古屋市地下鉄全ての列車、市バス
あおなみ線あおなみ線一日乗車券¥800通年あおなみ線全列車
愛知高速交通Linimo 1DAYフリーきっぷ¥800通年リニモ全列車
長良川鉄道1日フリーきっぷ¥2,700通年観光列車「ながら」を除く長良川鉄道全列車
三岐鉄道1日乗り放題パス¥1,200通年三岐鉄道三岐線、北勢線の全列車
天竜浜名湖鉄道1日フリーきっぷ¥1,750通年天竜浜名湖鉄道全列車
JR東海木曽エリアフリーきっぷ¥10,000通年(GW、お盆、年末年始除く)特急「しなの」号指定席+フリー区間の特急・普通列車自由席
JR東海飛騨エリアフリーきっぷ¥12,370通年(GW、お盆、年末年始除く)特急「ひだ」号指定席+フリー区間の特急・普通列車自由席
JR東海南紀・熊野古道フリーきっぷ¥8,380
(伊勢路コース)
通年(GW、お盆、年末年始除く)特急「南紀」号指定席+フリー区間の特急・普通列車自由席・バス
JR東海北陸観光フリーきっぷ¥16,230通年(GW、お盆、年末年始除く)特急「しらさぎ」号、特急「ひだ」号指定席各1回ずつ+フリー区間の特急・普通列車自由席

青空フリーパス(JR東海)

まず最初はJR東海が発売している「青空フリーパス」。名古屋近辺でJRに乗って列車旅をする場合、このきっぷの存在を知っているのと知らないのとではかかる費用にかなり差が出てくる場合があります。

使用できるのが土休日という制限はあるのですが、おそらく子鉄との旅に限って言えばほとんどの場合は土休日だと思うのでこれは大丈夫なケースが多いでしょう。このきっぷのうれしいところは、使用できるエリアがかなり広範囲というのと、別途特急券を購入すれば特急にも乗れるというところですね。値段も大人で¥2,620、子供で¥1,310とかなり安いのが魅力です。

使用できるエリアは、中央本線方面は木曽平沢駅まで、飯田線方面は飯田駅まで、紀勢本線・参宮線方面は紀伊長島駅・鳥羽駅まで、高山本線方面は下呂駅までとかなり遠くまで利用することができます。東海道本線は東京方面は二川まで、大阪方面は米原まで(こちらはJR東海のきっぷなので仕方がないところ)とやや狭めです。あと後述の「青春18きっぷ」では通過できない伊勢鉄道線を通過できるのもこのきっぷの利点です。

利用方法の一例としては、特急南紀で熊野市まで日帰りする場合、名古屋駅⇔紀伊長島駅は青空フリーパスを利用し、紀伊長島駅⇔熊野市駅は通常の乗車券を購入するということができます。この場合青空フリーパスを利用すれば大人一人で往復¥9,640ですが、通常の乗車券の場合¥12,900と¥3,000以上高くなってしまいます。みどりの窓口で購入する場合、普通に購入すると通常の乗車券(名古屋⇔熊野市)+特急券で発券されるため、青空フリーパス+乗車券(紀伊長島⇔熊野市)+特急券と指定して購入する必要があります。

青春18きっぷ(JR全社)

フリーきっぷとして最も有名なのはやはりこの「青春18きっぷ」でしょうか。「青春」とか「18」とか名前に付いていますが、利用するのに年齢制限はまったくありません。ただし子供料金の設定はなく、大人が利用しても子供が利用しても同じ1回分としてカウントされます。

18きっぷとはざっくり言うとJRの普通・快速列車1日乗り放題券が5回分付いている企画きっぷです。この5回のうち何回分かを同じ日に複数人で使うこともできるし、5回を全部別の日に1回ずつ使うこともできます。値段は5回分で¥12,050です。

利用できる期間が決まっていて、毎年学生の長期休暇(春休み、夏休み、冬休み)の時期に期間が設定されます。2023年の場合は、春季用3月1日から4月10日まで、夏季用7月20日から9月10日まで、冬季用12月10日から2024年1月10日までとなっています。青春18きっぷは前述の青空フリーパスと違い土休日でも平日でも利用することができます。

ただし青春18きっぷは青空フリーパスと異なり、特急券を別途購入しても特急列車に乗ることはできません。どうしてもこの区間だけは特急列車に乗りたいという場合には、その区間の特急券と乗車券を購入すれば特急にも乗車することはできます。普通列車、快速列車の座席指定車両(例えば上野東京ラインのグリーン車など)は別途指定券を購入すれば乗車することができます。

その他特急しか走っていない区間や元JR路線の区間などの例外のルールが多数あるのでJR東海のサイトを参照ください。

豊橋往復きっぷ(JR東海)

名古屋から豊橋エリアまで日帰りで往復するのに便利なきっぷがこの「豊橋往復きっぷ」です。豊橋エリアというのは東海道本線の二川までと飯田線の豊川までで、のんほいパークや豊川稲荷に行く場合に使うと便利かと思います。

このきっぷの特徴は新幹線変更券を別途購入すると新幹線を利用することもできるところです。新幹線変更券は大人で片道分¥400で、往復の場合は¥800です。

一つ注意点があってこのきっぷは「乗越し時の別途清算不可」となっていて、例えば豊橋から尾張一宮まで帰りたい場合、豊橋から大垣行きの快速に乗って尾張一宮まで乗って乗越し清算するということはできないため、一度名古屋で降りて改札を出る必要があります。

平日用と土休日用で値段が異なり土休日のほうがお得感が大きくなっています。

名鉄電車全線1DAYフリーきっぷ(名古屋鉄道)

2024年3月16日から今までの「まる乗り1DAYフリーきっぷ」から「名鉄電車全線1DAYフリーきっぷ」に変わりました(上記画像は旧「まる乗り1DAYフリーきっぷ」のもの)。この「名鉄電車全線1DAYフリーきっぷ」は名鉄電車全線で使用できるフリーきっぷです。連続2日間乗り放題の「名鉄電車全線2DAYフリーきっぷ」というきっぷもあります。1DAYのほうは大人で¥3,400ですが2DAYは大人で¥4,400のため、2日間乗るなら圧倒的に2DAYのほうが割安です。

以前の「まる乗り1DAYフリーきっぷ」の時は、特別車両券を別途購入しなくても10時~16時までの時間は特別車の空席に座ることができたのですが、この「名鉄電車全線1DAYフリーきっぷ」は特別車に乗車するには別途特別車両券が必要になります。

このきっぷの特典としては日本モンキーパークや南知多ビーチランドなど名鉄グループの施設の入園料が割引になったりという特典があります。

近鉄週末フリーパス(近畿日本鉄道)

近鉄には週末の連続3日間近鉄全線が乗り放題になる「近鉄週末フリーパス」があります。2日だけのフリーきっぷは期間限定で発売されていたこともあるようですが、基本的に近鉄は3日間のフリーきっぷだけのようです。

3日間といっても値段はそれほど高くないため、2日間だけとか場合によっては1日だけ使う場合でも通常よりも割安になる場合もあるので、意外と使えるケースは多いかもしれません。例えば近鉄名古屋駅からであれば、鳥羽駅までだと通常のきっぷのほうが安いのですが賢島駅までだと近鉄週末フリーパスを利用したほうが安くなります。

特急券を別途購入すれば特急に乗ることもできるので、特急しまかぜで賢島まで日帰り旅行なども可能です。鳥羽までの場合は「鳥羽水族館割引きっぷ」というきっぷがあり、鳥羽水族館に行くのであればこういうきっぷを利用するのも一つの手ですね。

近鉄週末フリーパスの注意点としては前売り限定で当日に購入することはできないため、事前にインターネット(5日前まで)や駅窓口で購入しておく必要があります。あと、このきっぷは週末限定のため、金土日か土日月のどちらかの3日間連続でしか利用できません。

ドニチエコきっぷ(名古屋市交通局)

名古屋市交通局(地下鉄&市バス)には通常の一日乗車券もありますが、やはりお得なのはこの土日限定で利用できる「ドニチエコきっぷ」です。

値段は¥620と名古屋から藤が丘や赤池までの往復と同額なので、藤が丘まで往復するのであればとりあえずこれを買っておけば気が変わってちょっと別のところに寄り道などということもできるので便利です。

あおなみ線一日乗車券(あおなみ線)

あおなみ線にも「一日乗車券」があります。値段は¥800と、単純に名古屋から金城ふ頭まで往復した時の¥720より少し高いのですが、この一日乗車券でリニア鉄道館の入館料が大人で¥200割引になったり、リニア鉄道館内の売店でお弁当を購入するとお茶がもらえたりと、リニア鉄道館に行くのであればこの一日乗車券で行くのがお得です。

あとはレゴランドまでの途中にあるメイカーズピアで利用できる¥100分の商品券がもらえたりという特典もあるようです。

Linimo 1DAYフリーきっぷ(愛知高速交通)

リニモの「1DAYフリーきっぷ」も藤が丘から八草まで往復した時の料金よりも少し高い¥800ですが、リニモでトヨタ博物館(芸大前駅)とモリコロパーク(愛・地球博記念公園駅)に一日で両方行きたい場合にはこの1DAYフリーきっぷのほうがお得になります。

1日フリーきっぷ(長良川鉄道)

長良川鉄道の「1日フリーきっぷ」は美濃太田から郡上八幡までの往復料金よりも安いため、美濃太田から郡上八幡以北に一日で往復する場合はこのフリーきっぷを利用するとお得です。

1日乗り放題パス(三岐鉄道)

三岐鉄道の「1日乗り放題パス」は三岐鉄道の三岐線と北勢線の両方の路線全線に乗ることができるきっぷです。この2つの路線は直接つながってはいないのですが、北勢線の阿下喜駅から三岐線の伊勢治田駅などは徒歩圏内なので、西桑名駅、近鉄富田駅まで戻らなくても両路線を乗り換えることは可能です。

1日フリーきっぷ(天竜浜名湖鉄道)

天竜浜名湖鉄道の乗り放題きっぷには「1日フリーきっぷ」(天竜浜名湖鉄道全線乗り放題)と「みかんきっぷ」(新所原~天竜二俣の区間のみ乗り放題)と「茶畑きっぷ」(掛川~西鹿島の区間のみ乗り放題)の三種類があり、どこに行くかによって使い分けることができます。

例えば新所原からフルーツパークまで往復する場合は1日フリーきっぷでは割高になってしまいますが、みかんきっぷでは単純に往復する運賃よりも安くなります。

木曽エリアフリーきっぷ(JR東海)

3日間有効な特急「しなの」の指定席が往復利用できるフリーきっぷです。ちょっと複雑なので、詳しくはJR東海のサイトを。

ただフリー区間は塩尻の手前の洗馬までと、塩尻以遠の松本や長野等には行けないので注意が必要です。

飛騨エリアフリーきっぷ(JR東海)

3日間有効な特急「ひだ」の指定席が往復利用できるフリーきっぷです。こちらもちょっと複雑なので、詳しくはJR東海のサイトを。

こちらもフリー区間は飛騨古川までとなっていて、猪谷等は対象外ですが、下呂、高山が主なターゲットなので飛騨観光にはよさそうです。

南紀・熊野古道フリーきっぷ(JR東海)

3日間有効な特急「南紀」の指定席が往復利用できるフリーきっぷです。フリー区間ではバスも利用できるようです。こちらもちょっと複雑なので、詳しくはJR東海のサイトを。

こちらはフリー区間が2種類あって、伊勢路コースと中辺路コースでフリー乗車できる区間が異なっています。

北陸観光フリーきっぷ(JR東海)

こちらは4日間有効な特急「しらさぎ」と特急「ひだ」の指定席が1回ずつ利用できるフリーきっぷです。こちらもちょっと複雑なので、詳しくはJR東海のサイトを。

こちらは特急「しらさぎ」と特急「ひだ」が1回ずつしか使えないというのが特徴的です。それと、フリー区間がJR東海以外の北陸新幹線及び城端線や氷見線などJR西日本のJR線、IRいしかわ鉄道線、あいの風とやま鉄道線など幅広い路線が利用できるのがよいですね。

その他

上記以外にも、愛知環状鉄道、豊橋鉄道、養老鉄道、樽見鉄道、明知鉄道、四日市あすなろう鉄道、遠州鉄道、近江鉄道、信楽高原鐡道など、だいたいどの鉄道会社にもフリーきっぷがあるようですが、利用したことがないためここでは割愛しました。

JR東海では上記に書いた以外にもたくさんお得なきっぷが存在していて、JR東海のサイトにいろいろ載ってます。