今回は子鉄の小学校卒業記念ということで春休みに2泊3日でゆっくりと移動を楽しみながら長崎まで行ってきました。移動を楽しむのがテーマということで、今回は旅程のほとんどの時間が移動時間になります。観光列車の「etSETOra」「ふたつ星4047」、夜行の阪九フェリー「せっつ」、近鉄「ひのとり」の展望席などに乗って長崎までの往復を楽しみます。
今回もYouTube動画を作ってあるので、動画の内容に沿って書いていきます。
YouTube動画
目的地
参考旅程
下記参考旅程は2025年3月のダイヤ改正後の平日ダイヤ(1日目)、休日ダイヤ(2,3日目)を元に記述しています。
[1日目]
名古屋 8:27
↓ 新幹線 のぞみ7号
新大阪 9:15
新大阪 9:32
↓ 新幹線 こだま845号(700系レールスター)
岡山 10:43
岡山 12:50
↓ 新幹線 こだま849号(500系ハローキティ)
福山 13:16
福山 14:17
↓ etSETOra
広島 17:22
広島 18:08
↓ 新幹線 こだま857号(500系)
新下関 19:24
新下関 19:36
↓ 普通 下関行き
下関 19:46
[2日目]
下関 8:07
↓ 普通 小倉行き
小倉 8:20
小倉 9:10
↓ 新幹線 さくら543号
新鳥栖 9:40
新鳥栖 9:56
↓ 鹿島酒蔵ツーリズム3号
江北 10:19
江北 10:45
↓ ふたつ星4047
長崎 13:15
長崎 15:42
↓ 新幹線 かもめ42号
武雄温泉 16:12
武雄温泉 16:15
↓ リレーかもめ42号
新鳥栖 16:47
新鳥栖 17:08
↓ 新幹線 さくら566号
小倉 17:38
小倉 18:40
↓ 阪九フェリー連絡バス
新門司港 19:15
新門司港 20:00
↓ 阪九フェリー せっつ
[3日目]
↓ 阪九フェリー せっつ
六甲アイランド 8:30
六甲アイランド ??:??
↓ 阪九フェリー連絡バス
JR住吉駅 ??:??
住吉 9:32
↓ 快速 米原行き
大阪 9:52
大阪 10:15
↓ 直通快速 奈良行き
王寺 10:59
王寺 11:05
↓ 普通 和歌山行き
和歌山 13:35
和歌山 14:00
↓ 紀州路快速 京橋行き
天王寺 15:100
天王寺 15:14
↓ 普通 JR難波行き
JR難波 15:20
大阪難波 16:00
↓ 近鉄ひのとり16列車
近鉄名古屋 18:09
参考費用
大人1人+子供1人の料金で表示しています。また車内以外の食費、フェリー以外の宿泊費は別途としています。
大人 | 子供 | |
---|---|---|
名古屋→長崎 乗車券 | ¥13,200 | ¥6600 |
長崎→小倉 乗車券 | ¥3,960 | ¥1,980 |
名古屋→岡山 のぞみ&こだま指定席 | ¥4,910 | ¥2,540 |
岡山→福山 こだま自由席 | ¥1,760 | ¥880 |
福山→広島 etSETOra普通列車グリーン席 | ¥1,700 | ¥1,700 |
広島→新下関 こだま自由席 | ¥2,530 | ¥1,260 |
小倉→新鳥栖 さくら指定席 | ¥2,590 | ¥1,290 |
新鳥栖→江北 鹿島酒蔵ツーリズム指定席 | ¥1,480 | ¥740 |
江北→長崎 ふたつ星4047指定席 | ¥2,430 | ¥1,210 |
長崎→新鳥栖 かもめ&リレーかもめ指定席 | ¥3,210 | ¥1,600 |
新鳥栖→小倉 さくら指定席 | ¥2,590 | ¥1,290 |
阪九フェリー デラックス和洋室 | ¥20,460 | – |
連絡バス 六甲アイランド→住吉駅 | ¥230 | ¥120 |
住吉→JR難波 | ¥570 | ¥280 |
大阪難波→近鉄名古屋 | ¥2,880 | ¥1,430 |
ひのとりプレミアム席 | ¥2,830 | ¥1,420 |
長崎ロープウェイ | ¥1,250 | ¥620 |
SETOUCHI BLOSSOM&広島フルーツゼリー | ¥600 | ¥270 |
特製ふたつ星弁当×2 | ¥2,800 | ¥2,800 |
合計 | ¥99,900 |
旅行記
[1日目]
初日はまず呉線を走る観光列車「etSETOra」に乗るために福山まで移動します。
東海道新幹線ののぞみ号に乗り西に向かうのですが、博多行きなので途中岡山でさくら号に乗り換えて福山を目指すのが一般的だと思いますが、移動を楽しむ旅ということで新大阪駅で降りて700系レールスターのこだまに乗り換えます。
700系レールスターもかなり古くなり、そろそろ引退してもおかしくないので今のうちに乗っておきます。古い車両ということもあり、窓の面積が広く景色が良く見えるのがよいですね。また、一部に個室があるのもレールスターの魅力です。
レールスターを岡山駅で降り、etSETOraまでまだ時間の余裕があるため、岡山駅で電車を見ていきます。岡山駅は山陽本線をはじめ山陰方面、四国の高松方面、高知方面、松山方面、またローカル線の津山線などいろいろな種類の列車を見ることができ、本数も多くひっきりなしに列車が出入りするので見ていて飽きません。
2時間ほど列車を見たあと、再び新幹線で西に向かいます。今度は福山までハローキティ500系に乗ります。ハローキティ500系は車内のいたるところにハローキティがデザインされ、1号車は1両まるごとハローキティグッズの販売スペースになっているなど、なかなかおもしろい列車です。
福山で軽くお昼ごはんを食べ本日のメインイベント、観光列車「etSETOra」に乗っていきます。
etSETOraは今まで東は尾道駅が始発駅だったのですが、この春から福山駅始発になりました。しまなみ海道の尾道大橋付近はしばらく海沿いを走るのでこのetSETOraの車窓ポイントの一つです。
三原駅を出ると呉線に入り、ここからも海沿いを走るところが多く車窓ポイントがいくつもあります。車窓のよいところでは徐行で走行したり、さらには停止して景色を楽しめるところもあります。
忠海駅を過ぎるとしばらく海沿いを離れるので、車内のバーカウンターでおやつを買ってみました。メニューはスイーツやドリンク(アルコール類もあり)などいろいろありました。一部予約が必要なものもあるようです。
呉駅を過ぎてしばらくするとまた海沿いの景色が多くなってきます。ちょうど日が傾いてくる時間なので、時期によっては夕陽がきれいに見えるかもしれませんね。
翌日に乗る観光列車「ふたつ星4047」との比較を先に書いてしまうと、etSETOraは座席でまったりと車窓を眺める感じの観光列車で、のんびりと観光列車の雰囲気を楽しみたいという人に向いているかもしれません。
広島駅からはまた新幹線に乗って西を目指します。次に乗るのは普通の500系。さきほど乗ったハローキティ500系もそうですが、新大阪寄りの先頭車両に子供向けの運転台があります。本物の運転台を使ったもののようで、本格的な運転台を操作して遊ぶことができます。広島駅から新岩国駅までは他に小さい子が乗ってきたので譲ってあげたのですが、新岩国駅から新下関駅までは他に小さい子が来なかったのでウチの子鉄がずっとこの運転台の席に座って遊んでいました。
新下関駅から下関駅まで在来線で移動し、本日は下関駅の近くのホテルに宿泊します。
[2日目]
2日目は観光列車「ふたつ星4047」に乗るために、下関駅からさらに西を目指します。
まずは在来線で小倉まで移動し、小倉からは新幹線。新鳥栖で在来線に乗り換えふたつ星4047に乗る江北駅まで移動します。新鳥栖からは当初リレーかもめ号に乗ろうと思っていたのですが、きっぷをみどりの窓口で購入するしたときに、窓口の方がこんな列車もありますよということで紹介された「鹿島酒蔵ツーリズム」号という臨時列車に乗りました。
江北駅ではふたつ星4047の停車に合わせておもてなしイベントが開催され、地元の特産品の販売などが行われていました。また江北駅と言えば、西九州新幹線開業前までは肥前山口駅という名前だった駅で、一部の間では某交通系YouTuberの聖地として有名のようです。
ふたつ星4047に乗り、おもてなしイベントの方々に見送られて江北駅を出発。しばらくはのどかな田園風景の中を走っていきます。
江北駅を出て一つ目の停車駅の肥前浜駅ではさきほど乗った鹿島酒蔵ツーリズム号の運行に合わせたイベントが行われていました。この日はたまたまイベントの日と重なったので肥前浜駅はすごくにぎやかだったのですが、普段のイベントの開催されていない日でもおもてなしイベントはあるのでしょうか?
次は多良駅に停車。”良”ことが”多”いと書くことで縁起のよい駅だそうで、駅のどこかに「幸せの鐘」があるそうです。お弁当の受け取りがあったので、幸せの鐘を見ることはできませんでしたが、ちょっとだけホームには降りてみました。
事前にWeb予約したお弁当を受け取り、このあたりでお昼ごはんにします。予約できるお弁当は2種類あり、今回は卒業祝いということでせっかくなので豪華なほうのお弁当にしました。多良駅をすぎたあたりは有明海沿いに走って行くところで、左側の車窓が良い区間です。
お弁当を食べていると、小長井駅に停車。この駅は線路のすぐ横に海があり映えるスポットです。
諫早駅を過ぎると今度は右側に大村湾を望み、このあたりの区間は右側の車窓が良い区間です。
前日に乗った観光列車「etSETOra」と比較すると、ふたつ星はおもてなしイベントもあり、景色のよい停車駅ではホームに降りて記念撮影、また2号車はフリースペースになっていて体験イベント(事前申込要)があったりと、じっと座っているだけではなくいろいろと楽しみたい人に向いていると思います。
個人的な感想ではありますが、静の「etSETOra」に対して動の「ふたつ星4047」といった感じでしょうか。
終点長崎駅に到着。今回は移動を楽しむ旅ということで、長崎での滞在時間も短めで、2時間半ほどの滞在になります。ということで観光先に選んだのは稲佐山。駅から歩いて行ける距離で、山頂まではロープウェイがあります。目的地に着いてもロープウェイで移動と、本当に移動づくしの旅です。
ロープウェイ乗り場までは駅からバスもあるようですが、本数が少なく時間が合わなかったため歩いて行きます。歩いても片道25分ほどです。
長崎は世界三大夜景に数えられるそうで、夜に来るときれいな夜景が見えるそうです。残念ながら今回は夜まで滞在する時間はないのですが、昼の景色でも坂の多い長崎らしい山の斜面に立つ建物や港に停泊する豪華客船など、長崎らしい景色を楽しむことができました。
駅に戻り、帰りはまだ新しい西九州新幹線のかもめ号に乗って帰路に付きます。往路のふたつ星4047では小倉から4時間ほどかけて長崎まで移動しましたが、復路は西九州新幹線を利用して小倉まで2時間ほどと約半分ほどの時間です。西九州新幹線が佐賀県部分も開業するともっと早くなりそうですが、いろいろ事情があって難しそうですね。
次は阪九フェリーに乗るために小倉駅から阪九フェリーの連絡バスで新門司港まで移動。
フェリーターミナルで受付を済ませ阪九フェリー「せっつ」に乗り込みます。船のエントランスは吹き抜けになっていてエレベーターもあったりと、ちょっとしたショッピングモールのような雰囲気です。売店やレストラン、大浴場、ゲームコーナーなどもあり、一晩過ごすには十分すぎるほどの設備です。
今回、部屋はデラックス和洋室という部屋だったのですが、デラックスというほど値段も高くなく二人で約二万円と意外とリーズナブル。部屋の中にトイレもあり、テレビも付いているので快適です。テレビでは普通の地上波放送のほか、船の現在位置を地図で確認できるチャンネルもあっておもしろいですね。
船内レストランで夜ご飯を食べ、大浴場に行き、しばらく船内を探検して本日は終了。
[3日目]
3日目の朝は瀬戸内海の海の上。起きたら明石海峡大橋のちょっと手前でした。明石海峡大橋をくぐるところを見るために着替えてデッキへ出て、しばらく潮風にあたりながら景色を眺めます。
船内レストランで朝ご飯を食べて部屋に戻ってくると、着岸する六甲アイランドのすぐ手前まで来ていました。まだ着岸まではしばらく時間があったので、ゆっくり下船の準備をします。
船を降りると降りた建物の目の前に連絡バスが待っています。時間は特に決まっていないようで、バスが満員になり次第発車になるようで、自分たちは1台目のバスに乗ることができました。
次はJR住吉駅から電車に乗るので、連絡バスはJR住吉駅まで乗るのですが乗車時間が思ったより時間がかかったので時間には余裕を見ておいたほうがよいかもしれません。撮影した画像のタイムスタンプによると8:45頃にバスに乗りJR住吉駅前の到着時刻は9:15頃だったようです。公式のWebサイトにも連絡バスの時刻表は特に記載されていないようなので、時刻はある程度前後するのかもしれません。
もうあとは名古屋まで帰るだけなのですが、帰りに予約している近鉄ひのとりの時間まではまだかなり時間に余裕があるので、大回り乗車を楽しんでいくことにします。大回り乗車とは詳細な解説は他のサイトを参照いただいたほうがよいかと思いますが、大まかに言ってしまうと大阪近郊区間など特定の区間内では、同じ経路を重複して通らない、途中下車しないなどいくつかのルールを守れば、その区間内であればどれだけ遠回りしても最短経路で運賃が計算されるというものです。
このルールにしたがって今回、住吉駅から近鉄ひのとりの始発駅大阪難波駅の最寄りのJR難波駅までは、最短だと、

このくらいの距離ですが、今回は前々から乗って見たかった和歌山線経由で、

このような経路を乗っていきます。
住吉駅からJR東海道本線で大阪駅まで移動し、大阪駅からはおおさか東線、関西本線で王寺駅まで。王子駅からは和歌山線に乗り換え終点の和歌山駅まで乗り通して、阪和線で天王寺駅、JR難波駅までという経路になります。
和歌山線は王寺駅出発後と和歌山駅手前はけっこう混雑しますが、真ん中のほうの区間は乗車率も低くローカル線ののんびりとした雰囲気と車窓を楽しむことができます。
ただ和歌山駅ではちょっと注意しなければならないことがあって、和歌山線のホームと阪和線のホームの間に乗り換え改札があるのですが、この自動改札にICカードを通してしまうとおそらく和歌山線経由で運賃が計算されてしまうと思われる(未確認)ので、自動改札のインターホンで係の人を呼んで改札を通してもらう必要があります。
あとは途中下車ができないので、和歌山駅のホームには特に食事ができるところはなく、小さな売店が改札の近くにあるだけなので、できれば何か食べるものをあらかじめ買っておいたほうがよいということでしょうか。
JR難波駅から近鉄の大阪難波駅まで移動し、いよいよここからは移動を楽しむ旅の最後の列車、近鉄特急ひのとりの展望席に乗って名古屋まで帰ります。
展望席からは対向列車がよく見えるので、アーバンライナー、しまかぜ、ひのとり、などいろいろな列車とのすれ違いを楽しみながら帰ってきました。